#26 スキルアップ方法を解説 - 四則演算のスキルアップを詳しくご紹介
こんにちは。メールを開いていただきありがとうございます。
今回のテーマはスキルアップやビジネスキャリアです。
レターを読んでいただくとわかることは、
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四則演算でのスキルアップ方法
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Google のプロジェクト管理手法から学べること
仕事やプライベートの趣味などでも、スキルアップや挑戦をしていく時の参考や応援になればと思い書きました。
ぜひ最後まで楽しみながら読んでみてください。
四則演算からのスキルアップ

最初にお伝えしたいことは、「ビジネスキャリアやスキルアップを四則演算でやってみよう」 です。
四則演算は足し算、引き算、掛け算、割り算ですが、順番を少し変えて次のようになります。
四則演算でのスキルアップやキャリア形成
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新しい挑戦をする [足し算]
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異なる経験やスキルを掛け合わせる [掛け算]
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捨てるものを決める [引き算]
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自分のリソースを経営者視点で配分する [割り算]
ではそれぞれについて順番に見ていきましょう。
[1. 足し算] 新しい挑戦をする
1つ目は足し算の考え方です。
新しいことに挑戦してみます。今までと同じことを続けることも重要ですが、常日頃から新しい種まきをやっておくことが大事ですよね。
新しい取り組みの多くは芽が出ないかもしれません。期待する結果が伴わないかもしれませんが、大切なのは、常に新しいことにチャレンジしているというプロセスに目を向けることです。
[2. 掛け算] 異なる経験やスキルを掛け合わせる
2つ目の考え方は掛け算です。
自分の持っている様々な経験、異なるスキルを掛け合わせてみます。
例えばマーケティングとデザインです。2つが掛け合わされることによって、ユーザーの立場になれる、ビジネスの仕組みが理解できているデザイナーになれます。あるいは、クリエイティブの良し悪しが論理的にも感性的にも理解し判断ができるマーケターです。
掛け算にはもう1つ別の捉え方もあります。自分が持っている知見やスキルを異なるフィールドで活かしてみます。環境の掛け算です。
[3. 引き算] 捨てるものを決める

1つ目の新しいことに挑戦をしてできることを増やしていく一方で、どこかで減らすことも必要です。
減らすのは本当に大事なことに集中するためです。やろうと思えばできることでも、意思を持って 「やらない」 と決めます。やらないことを捨てられれば、残った大事なことに注力できます。
もう1つ、場合によって捨てたいのは過去の成功体験や栄光です。
成功体験は自分の財産である一方で、時には新しいことへの足かせになります。過去の栄光に自覚なくしがみついていると、目の前のことを色眼鏡で捉えてしまいます。
健全な危機感を保つためにも過去の成功体験を捨て、一度心も頭もまっさらにリセットをして取り組んでみることが大事です。
[4. 割り算] 自分のリソースを経営者視点で配分する
4つ目は、割り算からのビジネスキャリアのつくり方です。
自分自身を1つの会社と見立て、経営者視点から自分のリソースをどう配分するかを決めていきます。例えば自分の仕事を以下のような分け方で分類してみます。
リソースの配分
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既存の知見やスキルを活かす仕事
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少しずらした新しいこと
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全く新しく挑戦する仕事
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これが将来にどう役に立つかわからない取り組み (純粋な自分のワクワクから)
限りある自分のリソース、具体的には時間や集中力の戦略的な配分がビジネスキャリアを磨くことにつながります。
ではスキルアップやキャリアの四則演算のうち、4つ目の割り算 「自分のリソースを配分する」 について、さらに掘り下げてみます。
Google のプロジェクト管理手法

補助線としてご紹介したいのは、Google のプロジェクト管理配分 「70 : 20 : 10」 です。
この方法は How Google Works - 私たちの働き方とマネジメント という本に詳しく書かれています。以下は本書から該当箇所の引用です。
2002年の時点で、グーグルはまだプロジェクトを重要な順に並べた 「トップ 100 リスト」 をもとに、リソースの配分やプロジェクトのポートフォリオを決めていた。
だが成長にともなって、このシンプルな仕組みではスケールすることが難しいという懸念が強まった。忌まわしき 「ノー」 の文化がじわじわと広がるのではないかという不安もあった。
そこである日の午後、セルゲイはトップ 100 リストを見直し、プロジェクトを三つのグループに振り分けた。
プロジェクトのほぼ 70% はコアビジネスである検索と検索連動型広告に関するもので、約 20% が成功の兆しが見えはじめた成長プロジェクト、残りの約 10% が失敗のリスクは高いが、成功すれば大きなリターンが見込めるまったく新しい取り組みだった。
それを叩き台に長い議論を重ねた結果、「70 対 20 対 10」 をリソース配分のルールにするという結論に達した。リソースの 70% をコアビジネスに、20% を成長プロダクトに、10% を新規プロジェクトに充てるのである。
Google がやったことは、事業やプロジェクトを3つのフェーズに分け、それぞれのリソース配分を 70%, 20%, 10% にするという方法です。
Google のプロジェクト管理手法 (リソース配分)
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コアビジネス 70%
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成長プロダクト 20%
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新規プロジェクト 10%
プロジェクト管理手法から学べること
ここで話を振り返ると、Google のプロジェクト管理手法をご紹介した意図は、スキルアップやキャリアの四則演算の割り算 「自分のリソースを配分する」 へのヒントになると思ったからです。
Google のプロジェクト管理手法でのコアビジネス、成長プロダクト、新規プロジェクトの3つの分け方は、個人のレベルにも当てはまります。
Google からのヒント
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70% は今までやってきたメインの業務や専門領域に注力 [コアビジネス]
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20% は少しずらした新しいことをやってみる (既存活動に関連すること) [成長プロダクト]
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10% は全く新しい挑戦 [新規プロジェクト]
今までやってきたことは多くても 70% にとどめます。
残りの 30% は、30 のうちの 20 は 「少しずらした新しいこと」 で、10 を全く新しく挑戦することに割り振ります。種まきをして本当に芽が出るのか、育ち花を咲かせるのかは始める前はわかりませんが、今から将来への布石にします。
今日のアクション
そろそろ今回のレターも終わりです。ここまで読んでいただきありがとうございます。
このレターの毎回に共通するコンセプトは 「Question Insights Action」 です。意味は、問いかけに対して示唆を得て (Insights) 、半歩でもいいので行動につなげてみませんか (Action) 、というものです。
今回のレターでお伝えしたかったことは、
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スキルアップやキャリアを四則演算で考えてみよう
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自分のリソース配分 (例: 時間配分) を 70 : 20 : 10 で分けてみよう
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新しいことへの成功期待が幻想だったとしても、乗り越えた先に得られることがある
お仕事やプライベートの趣味などでも、スキルアップや挑戦をしていく時の参考になればうれしいです。
今週の YouTube
今回のレターに関係する動画を1つご紹介です。
新しい挑戦には、時には失敗することもあるので、参考になればと思う動画です。
失敗とは 「挑戦のバロメーター」 。失敗を次に活かす方法を5つのステップでご紹介
失敗を次に活かす5つのステップ
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目的に立ち返る
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失敗を受け入れる (客観的に捉える。落ち込む期日を決める)
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原因を掘り下げる
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教訓を得る
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ファイティングポーズを取り続ける (挑戦を続ける)
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レター作成者
多田 翼
Aqxis 合同会社 代表 (会社概要はこちら)
主な事業
マーケティング, マーケティングリサーチ, 事業戦略などのコンサルティング事業
※ お問い合わせは会社 HP からご連絡ください
経歴
Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立。Aqxis 合同会社を設立し代表に就任。Google 以前はインテージにてマーケティングリサーチ業務に従事。京都大学大学院 工学研究科 修了。
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