#21 Google と Amazon の 「良い失敗」 に学ぶ、失敗を次に活かす方法

学生時代のアルバイトでの失敗談、ドラゴンボールに見るストーリーの法則、Google と Amazon の 「良い失敗」 から、失敗を活かす方法を5つのステップでご紹介します。
多田 翼
2021.04.15
誰でも

こんにちは。メールを開いていただきありがとうございます。

今回のテーマは、失敗を次に活かす方法です。

書いている内容は、

  • 学生時代のアルバイトの話
  • ストーリーの法則 (ドラゴンボールの例) 
  • Google の 「良い失敗」 
  • Amazon の 「良い失敗」 
  • 失敗を活かす方法 (5つのステップ) 


失敗は誰にでもあり、失敗をしても次に活かせられれば財産にできます。このレターが、何かを新しく始めて挑戦する時、そして失敗が起きた時のヒントや応援になればと思い書きました。

ぜひ最後まで楽しみながら読んでみてください。

学生時代のアルバイトの話


学生の頃、ある飲食店でアルバイトをしていました。

アルバイト先の雰囲気はよく、一緒に仕事をするメンバーも魅力的で、アルバイトの時間が増えていきました。当時は他にもアルバイトをやっていましたが、次第にシフトが増えていきました。

しかし、3ヶ月ほど経った頃から少しずつバイト先で違和感を感じるようになりました。最初は楽しかったバイトに自分が合っていないように感じました。具体的には、以下のような状況でした。

  • 自分のことが過剰に管理されていると感じるようになり、次第に必要なこと以外はやらなくていいという雰囲気になった
  • お店が目指す理想や店舗運営の方針には共感していたが、自分の役割は本当に自分がやりたいと思えなくなくなっていった
  • 正社員とアルバイトはフラットな関係だったものの、店長の影響が強く店長の方針が絶対的であった
  • 自分の働き方はまわりのメンバーからは評価されていたが、店長からは評価されなかった (店長からは見えにくかった) 
  • 店長に評価されないと、バイト先の組織の中では自分の居場所がなくなっていった
  • 次第にやりがいが見い出せなくなり、バイト以外のことで大切なことを見失っているように感じた


バイトを始めた当初は長く働きたいと思っていましたが、後半の3ヶ月はそうではなくなっていきました。結局、このバイトはおよそ半年ほどで辞めることを決めました。

環境が合わなければ離れてよい

当時のことをあらためて振り返ると、環境という自分ではコントロールできないことに、自分が合っていない状況でした。もし店長が違う方であれば状況は変わっていたかもしれません。しかし、店長を変えることは自分にはできなかったことです。

学生時代のこの経験からの学びは、環境によって自分の合う・合わないがあり、合わない環境では自分のパフォーマンスは出せなくなってしまうことです。環境を変える試みは必要ですが、自分だけではどうしようもない状況では、その環境自体から離れてよいということを経験できました。

***

ストーリーの法則


映画やドラマ、ビジネスのプレゼンにおいても惹きつけられるストーリーには法則があります。

ストーリーの法則

  • 日常: 主人公は日常で生活しながらもどこか不満を感じている
  • 分離: ある出来事が起こって主人公が日常から分離される
  • 敗北: 最初の敗北を喫する
  • 試練: 訓練などによって欠点を克服する
  • 勝利: 主人公は敵に挑み勝利を手にする
  • 帰還: 成長した主人公が日常に戻る


人が感情移入をするのは順風満帆なストーリーよりも、一度は敗北や試練があり、苦しみや葛藤を乗り越えて勝利を得るストーリーです。

ドラゴンボールのストーリー法則

ストーリーの法則を漫画のドラゴンボールに当てはめてみます。

ドラゴンボールは単行本で1~42巻までありますが、基本的には 「分離 - 敗北 - 試練 (修行) - 勝利」 の繰り返しです。

ドラゴンボールのストーリー

  • 分離: 新たに次元の違う強敵が表れる (例: ピッコロ大魔王, サイヤ人, フリーザ, 人造人間 (セル) , 魔人ブウ)
  • 敗北: 新たな敵は戦闘能力が桁違いで、負けてしまう
  • 試練: 勝つために厳しい修行を積む
  • 勝利: 戦闘力が大幅に上がり再び立ち向かい、最終的には勝つ


勝利の後は次の強敵が出現し、かつての敵も仲間になり新しい物語に入っていきます。

N 字の成長曲線

ひるがえって、自分の仕事やキャリアを振り返った時に、どんなストーリーになっているでしょうか?

自分の中に、「敗北 - 試練 - 勝利」 のサイクルはあるでしょうか?

もちろん仕事やキャリアが順調にいくなら、そのほうがいいでしょう。一方で、「N 字のような成長曲線」 を描いているかどうかです。下のイメージのような、一度落ちてそこから這い上がって成長を続けていることです。

敗北というと大げさかもしれませんが、挑戦をした結果の失敗が起こった時にどう向き合い、乗り越えるかです。

***

ではここからは、「失敗をどう乗り越えるか」 を考えていきましょう。まずは 「良い失敗とは何か」 です。

Google の 「良い失敗」 と 「悪い失敗」 


書籍 ワーク・スマート - チームとテクノロジーが 「できる」 を増やす には Google が考える 「良い失敗」 と 「悪い失敗」 について書かれています。

以下は本からの引用です。

自動運転技術やプロジェクトルーン (気球によるインターネット接続環境の提供プロジェクト) を手かげてきた X (旧 Google X) のリーダー、アストロ・テラーは 「よい失敗」 「悪い失敗」 という言葉を使っています。

プロジェクトの早い段階で失敗を見つけ、改善する。もしくは、成功の見込みがないと判断できる材料が集まれば中止する。小さく、早く、かつ次に活かせるのが良い失敗です。

一方、時間とお金を投入したあとで失敗が明らかになれば、組織の痛手が大きくなります。往々にしてプロジェクトを復活させることが難しくなり、次に活かせません。これが悪い失敗でしょう。


引用から、良い失敗とは次の2つです。

Google の 「良い失敗」 

  • できるだけ早い段階で起こる失敗。小さな失敗
  • 失敗から学びがある。学びを次に活かせる


では次に Amazon についても見ていきましょう。

Amazon の 「良い失敗」 

書籍 ベゾス・レター - アマゾンに学ぶ14ヵ条の成長原則 に書かれている Amazon の失敗の捉え方です。

本書から引用しますね。

ごく早い段階から、ベゾスには見えていたことがある。リスクに挑んで、リスクに投資して、あえて 「失敗」 するチャンスを生み出さない限り、成長もできなければ、広い視野を持てるようにもならないということだ。

実際には、何としてでも失敗を避けたい人 (会社も) がほとんどだろう。だが、アマゾンのように成長したいなら、失敗する覚悟が絶対に必要なのだ。

つまり、失敗は必ずしも悪いものではないのかもしれない。だとすると、「いい」 失敗の要因は何だろうか。

簡単に言えば、いい失敗とは、そこから学んだことがあり、その学びを今後に活かせるようなもののことだ。そのような失敗は、ただの失敗とはまったく違う。

良い失敗の言語化


ここまで、Google と Amazon の失敗の捉え方を見てきました。

共通点から私が思った 「良い失敗」 を言葉にすると、次のようになります。

良い失敗

  • 新しく挑戦して起こった
  • 全力で取り組んだ
  • 失敗から学び次に活かした


1つ目と2つ目の 「新しい挑戦をしたから」 「全力で取り組んだ」 から言えるのは、失敗とは 「挑戦のバロメーター」 です。

挑戦の度合いが高いほど失敗も起こりやすいですよね。失敗を嫌うのではなく、失敗を挑戦のバロメーターと捉えると、失敗について少しポジティブなイメージが湧きませんか?

***

では失敗から学び、次に活かすためにはどうすればよいのでしょうか?

失敗を活かす方法


失敗は、その後にどう活かしたかで自分の財産にもできます。そのためのポイントは次の5つです。

失敗を活かす方法

  • 目的に立ち返る
  • 失敗を受け入れる
  • 原因を追求する
  • 教訓を得る
  • ファイティングポーズを取り続ける


では1つずつ、順番に見ていきましょう。

[失敗の活かし方 1] 目的に立ち返る

失敗に向き合う前提として、なぜそれをやろうとしたかの目的に立ち返ります。

うまくいっていないこと、失敗したことについて、元々のやる意義は何だったかです。

[失敗の活かし方 2] 失敗を受け入れる

失敗を次につなげるために、まずは失敗をどう受け止めるかです。

以下のような考え方をするとよいです。

失敗を受け入れるマインドセット

  • 1年後や3年後から見たら、今の失敗をどう映るか
  • 失敗を生かすも殺すも自分次第
  • 失敗したということは、それだけ挑戦したということ
  • 落ち込む期間を区切る (例: 落ち込んだり後悔するのは今日いっぱい) 


最後の5つ目の補足です。

目の前の失敗に対して客観的に割り切ることは難しいですよね。落ち込んでしまう自分がいます。

これは私がよく使う方法で、落ち込む期日を決めます。例えば、くよくよするのは今日いっぱいまでと決めて、翌日以降は気持ちを切り替えます。

[失敗の活かし方 3] 原因を追求する


失敗を冷静に受け止められたら、次は失敗の原因把握です。

2つあり、なぜ失敗は起きてしまったのかのプロセスに対してと、事前のプランや前提のうち、何の想定が違っていたかです。

原因追求で大事なのは、表面的な失敗の事象だけで終わらせないことです。背後にある失敗に至った構造的なメカニズム、さらに奥にある本質的な要因は何かの深掘りです。

[失敗の活かし方 4] 教訓を得る

4つ目が教訓です。うまくいかなかったことから何が学べたかです。

次に活かすとしたらどうするかを考えてみて、もし過去の自分にアドバイスをするとしたら何が言えるかを自分の言葉にしてみるといいです。

教訓を得るところまで落とし込めば、失敗から学びがあり次に活かせます。

[失敗の活かし方 5] ファイティングポーズを取り続ける

失敗への対応で最後にやりたいことは、挑戦を続けることです。

失敗して終わりではないんですよね。たとえリングにダウンしたとしても、もう一度立ち上がりファイティングポーズを取れるかです。

失敗をして、うまくいかなかったからといって立ち止まらずにまた一歩一歩と進んでいきます。

ここが良い失敗にするためのターニングポイントです。

***

今日のアクション

そろそろ今回のレターも終わりです。ここまで読んでいただきありがとうございます。

このレターの毎回に共通するコンセプトは 「Question Insights Action」 です。意味は、問いかけに対して示唆を得て (Insights) 、半歩でもいいので行動につなげてみませんか (Action) 、というものです。

今回は失敗について掘り下げてみました。アクションへの問いかけは、「まずは失敗を受け入れてみませんか?」 です。

失敗を次に活かすためには、目を背けずに失敗した自分自身を肯定することからです。自己肯定ができれば、原因追求、教訓の獲得、次への挑戦とつながってきます。

失敗からあなただけのストーリーをつくっていきませんか?

いただいた質問への回答

質問箱への回答コーナーです。

[質問] 休日の過ごし方とこだわりは?


質問の順番を逆にして回答しました。

休日のこだわりは、

  • 習慣にしている大事なことは休日も平日も変わらずにやる
  • あえて休日にしなくてもいいことはやらない
  • 平日にはやれないこと


回答では、それぞれについて休日にやっていることを書きました (詳細はこちら) 。

質問・リクエストを募集しています

もしご質問やリクエストがありましたら、このメールにそのまま返信をしてください!私へのメールアドレスに送ることができます (運用サポートも自動で宛先設定されます) 。

ご質問やご要望、リクエストなど、お気軽にご連絡ください。いただいたメールは私から返信できればと思います。

または、こちらの匿名の質問箱にぜひコメントください!

peing.net


  • 疑問に思ったこと
  • 訊いてみたいこと
  • 自分なりの理解や解釈
  • レターへのリクエスト


いただいたご質問やリクエストはレターでも取り上げられればと思っています。

ぜひ質問・リクエストを教えてください!

レター作成者

多田 翼
Aqxis 合同会社 代表 (会社概要はこちら

経歴
Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立。Aqxis 合同会社を設立し代表に就任。Google 以前はインテージにてマーケティングリサーチ業務に従事。
京都大学大学院 工学研究科 修了。

主な事業
マーケティング, マーケティングリサーチ, 事業戦略などのコンサルティング事業
※ お問い合わせは会社 HP からご連絡ください

#31 経営戦略の極意 - 赤字すれすれの書店事業に見る経営目線になる...
利益 0.1% の事業を例に、経営戦略のポイントを解説します。後半では経営戦略を個人にも当てはめ、経営者目線になる方法を...
誰でも
#30 プロが伝授!マーケティングリサーチのことがよくわかるレター
マーケティングリサーチの役割、インタビューの方法を解説し、目指したいマーケティングリサーチャー像をご紹介しています。
誰でも
#29 Google のデータビジネスモデルを解説。データ活用の3つの...
今回は 「データの価値化」 です。マーケティング界のドラッカーの言葉、Google の事例から、データを価値に変える3つ...
誰でも
#28 アウトプット仕事術をご紹介 - アウトプットを積極的にやる方法...
アウトプットで先手を打つ仕事の進め方を解説しています。本を読んだり学んだことを自然とアウトプットできる方法もご紹介します...
誰でも
#27 たまごっちとポテチのロングセラー理由を解説。変えないこと、変え...
世の中には一握りのロングセラー商品があります。長きにわたって人気が続く秘訣を、たまごっちとポテトチップスを例にご紹介しま...
誰でも
#26 スキルアップ方法を解説 - 四則演算のスキルアップを詳しくご紹...
「ビジネスキャリアやスキルアップを四則演算でやってみよう」 という内容です。スキルアップの方法を、Google のプロジ...
誰でも
#25 マーケターの役割を解説。Google と孫子の兵法からマーケテ...
マーケターの役割を、Google のマーケティングの考え方、孫子の兵法から読み解き解説します。
誰でも
#24 GW 後の心機一転に!がんばろうと思える 「ことわざ」 3つ
連休明けの気分を変えてくれる、好きな 「ことわざ」 を3つご紹介します。英語のことわざですが、ぜひお伝えしたいと思い書き...
誰でも