
#7 Google 時代の 「志は大きく スタートは小さく」 からの挑戦と学び
こんにちは。多田翼です。本年もよろしくお願いします。 |
今年もレターを読んでいただいる皆さまに、少しでも読んでよかったと思ってもらえる内容にしていきたいと思います。 |
2021年の最初のレターなので、新年の抱負や目標設定に参考になればと思うことをお届けします。「Think big, start small」 を取り上げます。意味は 「志は大きく、スタートは小さく」 です。 |
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Think big, start small |
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著者は岩村水樹さんです (Google 日本法人専務執行役員 CMO 兼マネージングディレクター アジア太平洋地域ブランド & マーケティング ※ 肩書は2017年時点) 。 |
この本で紹介されていたのはインドにおける Google のある活動です。以下は本書からの引用です。 |
インドにおける Women Will の活動は、一人の社員が掲げた 「5000万人の女性たちにインターネットのアクセスを」 というビジョンと情熱から始まっています。 ワーク・スマート - チームとテクノロジーが 「できる」 を増やす (岩村水樹) |
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ではここからは 「志は大きく、スタートは小さく」 を、前半と後半の2つに分けて見ていきます。まずは前半の 「志は大きく」 です。 |
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志とビジョン |
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英語では Vision で、vis と ion に分かれます。2つの意味は vis は 「見る」 、ion は 「こと」 です。Vision のもともとの意味は 「見ること」 です。 |
私の定義は一言で言えば、ビジョンとは未来を描く一枚の絵です。 |
もう少しビジョンについて考えると、私が思う良いビジョンのポイントは3つです。 |
良いビジョンのポイント |
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ビジョンの例 |
キング牧師の 「I Have a Dream (私には夢がある) 」 が、まさにビジョンです。 |
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が、1963年のワシントン大行進で行った演説です。 |
演説の中でも特に有名な箇所が以下です。 |
I have a dream that one day on the red hills of Georgia, the sons of former slaves and the sons of former slave owners will be able to sit down together at the table of brotherhood. マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師 (1963年) |
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自分の原体験や人種差別を受けている人々の願いから、未来の社会はこうあるべきという姿を確信を持って伝えるビジョンです。 |
以下は実際のキング牧師の演説の動画です。歴史的な演説なので、ぜひ見てみてください。 |
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それでは、「志は大きく、スタートは小さく」 の後半、「小さく始める」 について見ていきましょう。 |
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「小さく始める」 の意味合い |
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まずは小さく始めることの意味合いを考えてみましょう。 |
小さく始めることの意味は、早めに失敗ができ、学びを得て、長い目で見たときの成功確率を高めることにあります。 |
最初から大きく始めると成功した時のインパクトは大きいですが、失敗した時のダメージも大きくなります。ハイリスクハイリターンです。 |
大きく始めるよりも、ステップバイステップで小さな失敗と小さな成功を積み重ねていきます。 |
では小さく始める例を、私が Google にいた時の 「20% ルール」 から紹介させてください。 |
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Google の 20% ルール |
20% ルールは Google の文化ようなものです。 |
自分の仕事の時間の 20% までは本業に関係ない社内のことに取り組んでよく、Google では多くの人が普通に実践していました。私もその1人でした。 |
ちなみに余談ですが、20% ルールはもともとは本業を 100% から 80% に減らして、残り 20% を別のことに使うという考え方でした。しかし現実は本業は 100% のままで、さらに 20% が増えて 「120% ルール」 のようになっていました。 |
ただし 20% は自分が好きでやっているので、私自身も当時は全く苦にならず、むしろ取り組んでいた 20% が本業に良い影響を与えていました。例えば、20% のほうで試してうまくいったやり方を本業のマーケティングに活かすようにです。 |
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参加していた新規事業開発プロジェクト |
あるプロジェクトを、「小さく始める」 の事例としてご紹介します。 |
私が 20% ルールの1つでやっていたのは、ある BtoC サービス開発のプロジェクトでした。 |
小規模のコミュニティをつくり、コミュニティ内でのサービス提供を新規で立ち上げようとしていました。ちなみに、このプロジェクトの Think big は 「コミュニティでの助け合いで、お互いがより良い自分になり、ひいては社会を良くする」 でした。 |
プロジェクトの中心メンバーは Google のアメリカ本社 (マウンテンビュー) にいて、日本からは私1人でした。私が所属していたマーケティング部とは無関係で、この新規事業開発から何か評価されるわけではありませんでしたが、ワクワクして心から熱中しながらプロジェクトを進めていました。 |
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小さく始めるために最初にやったこと |
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サービスではゆくゆくは世界各国でのアプリ提供を考えていましたが、最初からいきなりアプリ開発はしませんでした。やろうと思えば優秀なエンジニアはまわりにいたので開発はできましたが、あえてしなかったです。 |
一番最初にやったのは、サービスコンセプトがターゲットユーザーにとって魅力的かどうかの検証です。直接インタビューをしたりアンケートから、ユーザーの課題や自分たちのアイデアがどう受け止められるかを確認しました。 |
この時につくったのは、コンセプトやサービスイメージをまとめたスライドだけです。 |
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既存サービスでのユーザー体験の再現 |
次にやったのは、既存のサービスを使ってのコミュニティ構築です。 |
ここでもまだ独自アプリは開発せずに、ありものでサービスとユーザー体験を再現し、テストを繰り返しました。 |
ありもののサービスとは Slack や Facebook メッセンジャーです。既存サービスで小規模のコミュニティをつくってテスト協力者に試してもらいました。 |
ポイントとして見ていたのは、ユーザーの行動です。特にコミュニティに入ってくれたユーザーがその後も継続して使い続けてくれるかに着目していました。 |
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小さく始めた開発プロセスのまとめ |
ここまでご紹介した開発プロセスを整理しますね。 |
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小さく始めて学んだこと |
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学びの中から 「小規模コミュニティの運用」 をご紹介します。ここで言っている小規模とは10人未満のコミュニティです。 |
小規模コミュニティ運用への学び |
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Wow 体験とは、コミュニティに参加して起こるうれしい出来事です。次からも使い続けたくなる仕掛けを用意すると、ユーザーの継続率が高まります。 |
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今日のアクション |
そろそろ今回のレターも終わりです。ここまで読んでいただきありがとうございます。 |
今回は 「志は大きく、スタートは小さく」 を取り上げました。前半の 「志は大きく」 では志をビジョンと捉えて、キング牧師の演説から見てきました。 |
後半の 「スタートは小さく」 は、Google での 20% ルールの私の当時の取り組みをご紹介しました。 |
あらためての読者のあなたへの問いかけは、「自分の “Think big” は何ですか?」 です。そして、描いた絵を実現するための第一歩として、どのように小さく始めますか? |
小さく始めることには行動が伴います。 |
一歩でも、あるいは半歩でもいいと思います。ぜひ一緒に、今年2021年の最初の歩みを大きな志につなげていきましょう。 |
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いただいた質問への回答 |
いくつか質問をいただきました。 |
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[質問 1] コンサルティングサービスの価格設定の方法 |
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[質問 2] 毎日の情報発信の内容のつくり方 |
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紙のノートは4種類使ってます。 |
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[質問 3] 行動を習慣化にする方法 |
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質問・リクエストを募集しています |
もしご質問やリクエストがありましたら、こちらの匿名の質問箱にぜひコメントください! |
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それでは次回またお会いしましょう! |
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レター作成者 |
多田 翼 |
経歴 |
主な事業 |
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