#28 アウトプット仕事術をご紹介 - アウトプットを積極的にやる方法
こんにちは。メールを開いていただきありがとうございます。
今回のテーマはアウトプットです。
レターからわかる内容は、
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1冊の本をご紹介
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インプットとアウトプットの理想的な比率とは?
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アウトプットで先手を取る仕事術
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アウトプット体質になる方法
普段のお仕事にも参考になればと思い書きました。ぜひ最後まで楽しみながら読んでみてください。
本のご紹介
今回のレターのキーワードは 「アウトプット」 です。
アウトプットの考え方や方法で参考になったのが、学びを結果に変えるアウトプット大全 でした。
アウトプットへの学び
この本に書かれていたことで参考になった考え方や方法は、
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インプットとアウトプットの理想的な比率
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ぼーっとする時間の効用
それぞれについてご紹介しますね。
[学び 1] インプットとアウトプットの理想的な比率
インプットとアウトプットの時間の比率は、3 : 7 が良いとのことです。目安は、インプットの時間に対して2倍以上の時間をかけるアウトプットです。「逆では?」 と思われた方もいるかもしれません。私も最初はそう思いました。
例えばのイメージに当てはめると、本一冊を2時間で読んだとして、その本からのアウトプットには4時間以上をかけるわけです。思ったのは実際にインプット時間の2倍もアウトプットするかより、それくらいの意識をアウトプットに持ち、実際に少しでもアウトプットする機会を増やすことの重要性です。
[学び 2] ぼーっとする時間の効用
2つ目の印象的だったのは意外に思ったことです。頭で何も考えていない時間は、その時間だけを見ればアウトプットはしていませんが、あったほうが良いそうです。
ぼーっとする時間は、脳内では自分がこれから良いものをアウトプットする準備として使われるとのことです。本書からの学びは、より良いアウトプットのためには時には意識して頭を使わない時間をつくってみることでした。
ではここからは、アウトプットを仕事に取り入れてみると、どんな方法ができるかを考えていきます。
アウトプットで先手を打つ

1つご紹介したい仕事のやり方があります。普段から心がけたいと思っていることは、「アウトプットで先手を打つ」 なんです。
例えば仕事で、次のようなアウトプットがありますが、
アウトプットの例
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アイデアを整理したドキュメント
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プレゼン資料
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企画書や提案資料
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戦略や計画 (事業戦略や商品計画など)
意図的に先手を打ち、アウトプットを見せて相手の意見を引き出したり、仕事を前に進めます。ポイントは、アウトプットの手間を惜しまず面倒くさがらずに、書いたり表現をする一手間をやれるかどうかです。
メリットとデメリット
この方法のメリットとデメリットを比べてみます。
相手より先に動き、アウトプットを出していく方法のメリットは、次の通りです。
アウトプットで先手を打つ 「メリット」
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アウトプットの過程で自分の理解が深まる
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足りない情報や自分の理解が曖昧なところがわかる
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アウトプットを持って相手に見せると、相手への気づきにつながる
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議論が深まる。具体的なフィードバックが得られる
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アウトプットによって、企画やプロジェクトが前に進む
デメリットを挙げると、以下になります。
アウトプットで先手を打つ 「デメリット」
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アウトプットの作業・時間が無駄に終わることがある (バリューが出せなかった時)
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本来はやらなくてよかった場合は、他に時間を使えた
これらは一見するとデメリットなのですが、長い目で見れば決して無駄にはならないと考えます。アウトプットをつくるプロセスでは学びになり、どこか他のところでプロセスやアウトプットが活かせる時があるからです。
メリットとデメリットを並べると、自分の結論はメリットのほうが大きいです。
では仕事で 「アウトフィットから先手を打つ方法」 をもう少し具体的なシーンでご紹介しますね。
初日に答えを出す

一言で言えば、数日以上かかる仕事で、あえて初日に結論や最終アウトプットを出す方法です。
プロジェクトや大事なプレゼン、企画書など、数日以上の期間が必要な仕事において、例えば期日が3週間先だったしても、初日につくれる可能な限りの成果物をつくってみます。
このやり方の前提になっているのは、「制約があるからこそ、今までとは違う切り口でのアイデアが生まれる」 という考え方です。
ここで言う制約とは、時間、情報、お金などです。初日にアウトプットをつくるには、時間が1日しかなく、情報も足りません。こうした制約がある中で、むしろ制約を逆手に取り最終アウトプットまでもっていくのです。
アウトプットの体裁は整っていなくて構いません。箇条書き、イラスト、図、マインドマップやフロー図など、その時々でつくりやすいものでよいです。大事なのは、初日の時点で仕事の依頼相手に見せることを想定して、一度アウトプットを出し切ることです。初日の終わりに、最も重要な本質だと思う答えをつくるのです。
メリット
初日の終わりに最終アウトプットをつくってしまう方法には、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
まずはメリットからです。実感として、以下があります。
初日の終わりに答えを出すメリット
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限られた時間と情報だからこそ、本質を考えることに集中できる
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情報が少ないので想像力が高まり、フルに発揮してアウトプットをつくれる
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つくる過程で、自分が理解していないこと、本当に必要な情報が何かがわかる
最後の3つ目の補足をすると、自分の理解や足りない情報が把握できるので、後でやみくもに調べたり情報を取りすぎることがなくなります。2日目からの仕事を効率的にできます。
デメリット
一方で、デメリットもあります。
注意点は、初日のアウトプット (答えや結論) にとらわれすぎてしまうことです。あくまで初日時点のもので、本当の最終アウトプットではありません。2日目以降でもっと良い切り口でのアイデアが生まれる可能性は十分にあります。
しかし初日に出した答えをこだわるあまり、新しい発想に目を向けないのは本末転倒です。初日の答えに対して健全な批判的精神を持ち続け、もっと良くできないか、全く違う切り口はないかを常に意識します。
そして新しいアイデアを思いついたら大胆に変えます。それまでにつくったアウトプットはサンクコスト (埋没費用) だとみなします。
ではここまでの内容、アウトプットで先手を取る仕事術から、普段からアウトプットができるようになるためにはどうすればいいかを最後に考えてみましょう。
アウトプット体質になる方法

普段からできるアウトプットを積極的に出すためには、次のことを意識したり取り組んでみるといいです。
アウトプット体質になる方法
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やるか迷ったらとりあえずアウトプットをする
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まずは7割の完成度で良いと考える
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間違ってもいいから、具体まで落とし切る
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わからないものは、仮説でとにかく埋める (つくり切る)
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早めに人に見せる (アウトプットをぶつける)
最後の 「早めに人に見せる」 の補足です。
なんとなくできあがってきたものの 「見せるにはまだ早いかも」 と思う時は、もう見せる段階です。自分では完成度が低くツッコミどころがあるとわかっている状態で、あえて人に見せてフィードバックを取りに行きます。
完成度が低いということは、それだけアウトプットに余白がある状態です。余白があるからこそ、相手の気づきや意見を引き出しやすくなるわけです。
今日のアクション
そろそろ今回のレターも終わりです。ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は 「アウトプット」 をキーワードに見てきました。最後に残したい問いかけは、
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インプットだけで終わっていませんか?
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時には一休みして 「ぼーっとする時間」 もつくってみませんか?
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仕事の締め切りを前倒しで設定し、時にはあえて初日に粗くても成果物をつくってみてはいかがでしょうか?
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アウトプットを積極的にまわりに見せると、どんなフィードバックがもらえそうですか?
今週の YouTube
今回のキーワードはアウトプットだったので、今週の YouTube は 「企画の進め方」 です。
企画の進め方がわからないと思っている方をイメージして、解説動画をつくりました。よかったら見てみてください!
[仕事術] 企画の進め方を3つのポイントで解説
レター作成者
多田 翼
Aqxis 合同会社 代表 (会社概要はこちら)
主な事業
マーケティング, マーケティングリサーチ, 事業戦略などのコンサルティング事業
※ お問い合わせは会社 HP からご連絡ください
経歴
Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立。Aqxis 合同会社を設立し代表に就任。Google 以前はインテージにてマーケティングリサーチ業務に従事。京都大学大学院 工学研究科 修了。
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