#69 嫌なことも喜んでやってくれる方法。「マーケティングとは知覚をめぐる戦い」 の好事例

好きな格言に 「マーケティングとは知覚をめぐる戦いである」 があります。ゲーム性やエンタメ要素を入れ、相手の捉え方を変えることで、普通は嫌なことも喜んでやってくれる方法をご紹介します。
多田 翼 2022.03.17
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さて今回は、ものの見方や体験を変えることで、人々が嫌々やっていたり、どこか敬遠されていたことに積極的にやるようになるという話です。

※ マーケティングの専門用語を使って表現すると、「相手のパーセプション (知覚) を変えることによる顧客の態度変容」 です


おもしろいと思った2つの事例をご紹介し、ゲームの要素 (ゲーミフィケーション) や行動分析学の視点も入れながら掘り下げていきます。得られる学びは、人にどうすれば動いてもらうかと、自分の行動をより良くすることにもヒントになればと思います。


✓ 今回のレターからわかる内容


[事例 1] マンホール調査のコンプリートを競うイベント

  • イベント 「マンホール聖戦」 とは?

  • 社会問題をゲーム化で解決する

  • ゲームに熱中するサイクル

  • 学べること


[事例 2] 検温のエンタメ化

  • 検温セルフィーの 「Thermo Selfie」 

  • 人が行動を起こす理由 (行動分析学)

  • 行動分析学に見る Thermo Selfie の魅力

  • 学べること


付録

  • 雑誌への寄稿記事

  • Google を辞めた理由 (質問回答) 

  • 日産がガチで開発した 4WD ラーメントレイ

  • コロナ禍の高校生活あるあるムービー

  • 次回レターの予告


では早速、本編に入っていきましょう。

マーケティングとは知覚をめぐる戦いである

だいぶ前の話ですが、売れるもマーケ 当たるもマーケ - マーケティング 22 の法則 という本を読んで強く印象に残っていることがあります。

今でもその時のことを覚えているのですが、次のような言葉でした。

Marketing is not a battle of products, it's a battle of perceptions. 
マーケティングは商品の戦いではなく、パーセプション (知覚) をめぐる戦いである。


今回取り上げる2つの事例は、パーセプション、つまり相手からの認識や知覚、価値イメージを一般的なものと変えることによって、相手の態度や行動変容を起こした興味深い事例です。

では、1つ目の事例を見ていきましょう。

イベント 「マンホール聖戦」 

ご紹介したいのは、社会インフラの課題をイベントにして問題解決をする取り組みです。イベント名は 「マンホール聖戦」 です (公式サイトはこちら) 。


この事例は、ゲーム化 (ゲーミフィケーション) による問題解決という観点からおもしろいと思ったので、掘り下げていきます。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、7243文字あります。
  • 社会問題をゲーム化で解決
  • ゲームに熱中するサイクル
  • ゲームサイクルの補足
  • 学べること
  • 検温でセルフィー写真をつくる Thermo Selfie
  • 検温のエンタメ化
  • 人が行動をする時 (行動分析学) 
  • 行動分析学から見る Thermo Selfie
  • 学べること
  • 雑誌への寄稿記事
  • 質問回答コーナー
  • 今週の気になる商品
  • 雑談コーナー
  • 次回レターの予告
  • レター作成者

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