#17 イチローと大谷翔平に学ぶ夢をかなえる方法
こんにちは。メールを開いていただきありがとうございます。
今回のテーマは 「夢のかなえ方」 です。
書いている内容は、
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イチロー少年の夢
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大谷翔平選手の目標設定
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「思考は現実化する」 の本当と嘘
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無人島生活で表れる人の本質
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「当たり前のこと」 を大切にしよう
このレターのタイトルを 「夢をかなえる方法」 としてみました。ちょっと大げさかもしれませんが、あなたが何かを新しく始める時、挑戦する時のヒントや応援になればと思い書きました。
ぜひ楽しみながら読んでみてください!
イチローの夢
最初にご紹介したいのは、野球の元メジャーリーガーのイチローさんが小学6年生の時に書いた作文です。
( 「イチローさん」 という表現はいまだ慣れないですね。「イチロー選手」 のほうがしっくりきます)
以下は作文の全文です。
「夢」
ぼくの夢は、一流のプロ野球選手になることです。
そのためには、中学、高校で全国大会に出て、活躍しなければなりません。活躍できるようになるには、練習が必要です。ぼくはその練習にはじしんがあります。ぼくは3歳の時から練習を始めています。 3歳 - 7歳までは半年位やっていましたが、3年生の時から今までは、365日中、360日は、はげしい練習をやっています。
だから、一週間中で友達と遊べる時間は、5時間 - 6時間の間です。そんなに、練習をやっているんだから、必ずプロ野球の選手になれると思います。
そして、中学、高校でも活躍して高校を卒業してからプロに入団するつもりです。そしてその球団は中日ドラゴンズか、西武ライオンズが夢です。ドラフト入団で、けいやく金は1億円以上が目標です。
ぼくがじしんがあるのは、投手と打げきです。去年の夏ぼくたちは、全国大会に行きました。そして、ほとんどの投手を見てきましたが、自分が大会ナンバー 1 投手とかくしんできるほどです。打げきでは、県大会、4試合のうちに、ホームランを3本打ちました。そして、全体を通した打りつは、5割8分3りんでした。このように、自分でもなっとくのいくせいせきでした。そして、ぼくたちは、1年間まけ知らずで野球ができました。だから、この、ちょうしでこれからもがんばります。
そして、ぼくが一流の選手なって試合にでれるようになったら、 お世話になった人に、招待券をくばって、おうえんしてもらうのも夢の1つです。とにかく、一番大きな夢はプロ野球の選手になることです。
作文で思ったこと
イチローさんの小学6年生の作文、いかがでしたか?
小学生でこれだけ書けるのはすごいと驚くとともに、作文から学べることがあると思いました。
私が思ったことは、
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確信を持って夢を解像度高く描写している
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自分がプロになる根拠と自信を言葉にし、やることが明確
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プロ野球選手になる夢がかなった先もイメージしている
それぞれを補足しますね。
[思ったこと 1] 解像度の高い夢の描写
作文を読んでまず思ったことの1つ目は、夢の解像度の高さでした。
プロ野球選手になることを確信を持って言葉にし、プロへのプロセスも書いています。中学と高校でも全国大会に出て活躍し、高校からプロの世界へドラフトで入団するキャリアです。
入団先もイメージがあり中日ドラゴンズか西武ライオンズです。契約金の目標を1億円以上と具体的です。
夢を実現する道筋までを確信を持って言葉にしています。
[思ったこと 2] 夢への根拠と自信
2つ目に思ったことは、自分の夢がかなうことへの根拠と自信です。
1年で365日中の360日は激しい練習をしたこと、大会での具体的な自分の成績を数字で説明しています。また、出場した全国大会でほとんどの選手を見て自分が No.1 だと書いています。
夢を描いただけではなく、根拠と自信、そしてこれから自分は何をやっていくのかも明確です。
[思ったこと 3] 夢をかなえた先のイメージ
作文での夢は 「プロ野球選手になること」 でした。この作文で印象的だったのは、夢をかなえた先にも触れていることです。
作文の最後に書かれている 「ぼくが一流の選手なって試合にでれるようになったら、 お世話になった人に、招待券をくばって、おうえんしてもらう」 です。
小学6年生のイチロー少年にとって、プロ野球選手になることは夢であると同時に通過点だったわけです。プロになることがゴールではなくむしろスタートで、プロで活躍しお世話になった人を招待して自分の活躍で応えたいという 「夢の先」 も描いています。
大谷翔平の目標設定
次にご紹介したいのは、現役メジャーリーガーの大谷選手の目標設定です。
以下の画像は、大谷選手が高校1年生の時に設定した目標です。日本のプロ野球のドラフトで、8球団から1位指名を受けることでした。図の中央の大目標である 「ドラ1 8球団」 を達成するために、8つのテーマに分け、さらにテーマごとに8つに分解しています (中央から外側への矢印) 。
全部で 「8テーマ × 8つの詳細目標」 です。
大谷選手は、プロ野球選手になることをドラフト会議で8球団から1位指名を受けるという高い目標を掲げました。
漠然と8球団からドラフト1位指名になりたいと願うだけではありません。これだけの具体的な目標を設定し、高校の3年間で日々、野球に取り組んだのです。
大谷選手の目標設定で思ったこと
先ほどの大谷選手の目標設定 ( 「マンダラチャート」 と言います) を見て思ったことです。
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8つの目標達成要素には、「心・技・体・生活習慣」 がバランスよく入っている
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目標から行動への落とし込み
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つくって終わりではない (むしろそこからがスタート)
[思ったこと 1] 心・技・体・生活習慣
大谷選手のマンダラチャートには 「心・技・体・生活習慣」 がバランスよく入っています。
8つのうち技と体に関する課題は5つあります。コントロール、キレ、スピード 160km/h 、変化球、体づくりです。
残りの3つが心や生活習慣についてで、運、人間性、メンタルです。それぞれ、以下のように8つに分解されています。
大谷選手の目標と行動設定を見て考えさせられたのは、こうした人としてのあり方です。野球の技術や体力向上の目標だけではなく、運や人間性を高めるための具体的な行動をこれだけ設定しているのです。
[思ったこと 2] 目標から行動への落とし込み
マンダラチャートの特徴は、中央の目標 (大谷選手は 「8球団からドラフト1位指名」 ) から8つの要素に分解し、各要素からさらに8つに分解していく過程で目標から行動に落とし込まれていきます。
64個の項目を見れば、自分がどのように行動するかをイメージできます。
行動設定を単に 「~ をがんばる」 のような精神論や抽象的な設定ではないんですよね。具体的に何をどうするかがこれだけの数を挙げて明確にしています。
[思ったこと 3] つくってからがスタート
ともすると目標は立てただけで満足してしまい、日々の中で振り返ることがなくなってしまうことがあります。
目標と行動内容は定期的に見返し、どれだけできたかを振り返ることが大事ですよね。
私もマンダラチャートをつくってみましたが、つくったこと自体に達成感が得られます。しかしつくって終わりではなく、むしろマンダラチャートができてからがスタートです。
「思考は現実化する」 の本当と嘘
世界的に有名な成功法則で言われていることに、「思考は現実化する」 があります。詳しくは、日本語タイトルがそのままの 思考は現実化する という本に書かれています。
イチローさんが小学6年生の時に書いた作文、大谷選手のマンダラチャートを読んだり見て思ったのは、「思考は現実化する」 は正しくもあるし、間違ってもいるということです。
正しいとは、思考を現実化するためには、あたかも思考内容がすでに現実に起こったかのように確信を持って強く想うことが大事です。
結果だけではなく、プロセスと現実化する根拠・自信も解像度高くイメージします。ここまでできれば、「思考は現実化する」 はその通りになるでしょう。
しかし、単に願望だけで思考が絵空事にすぎなければ現実化しません。夢は空想や妄想のままです。この意味では 「思考は現実化する」 は正しくはないのです。
特別なことを成し遂げるために
もう1つ、「思考は現実化する」 につながることで、イチロー選手の言葉で私が好きなものがあります。それは 「特別なことをするために、普段通りの当たり前のことをする」 です。
イチローの名言集にはこう、ある。「特別なことをするために、特別なことをするのではない。特別なことをするために、普段通りの当たり前のことをする」 と。
イチロー選手にとって 「普段通りの当たり前のこと」 の1つが、1日も欠かすことのない丁寧なストレッチでした。
イチロー選手には自分の目指す理想の野球選手像があり、特別な存在になるためにやっていることは 「当たり前のこと」 なのです。
「当たり前のこと」 を当たり前にやる
あらためて自分自身に問いたいのは、当たり前なことを文字通りに当たり前にやっているかです。
イチロー選手の先ほどの言葉から教えられるのは、事前準備を大事な時や思い出した時だけではなく、毎回やることの大切さです。
普段通りにやり続けられるかで、それがいつの間にか 「当たり前のこと」 になり、他人から見れば特別なことをやっているように見えます。「当たり前のこと」 を当たり前のようにできるかは、自分の仕事、仕事以外の日常生活もなんですよね。
無人島生活で表れる本質
当たり前のことをやる大切さで思い出したのは、人生を豊かに歩むために大切なこと どうでもいいこと という本に書かれていたことです。
かつて僕は、尊敬する人から、こんな話を聞いたことがある。
「人間としての器が問われるのは、無人島に一人で流されたとき、朝起きてます何をするかだ」
無人島では、誰にも会うわけではない。だが、起きたらまず顔を洗い、ヒゲをそり、歯磨きをする。それができるかどうかが、優れた本質を持った人間である、と。
誰も見ていないところでこそ、人間は試される、ということだ。無人島できちんと生活できる人は、人間社会に戻ったときにもその生活は揺るがないだろう。これは、ライフ・マネジメントの核心を的確に表した話だと思っている。
結局、人生では、自分で人生をコントロールしているかどうか、が問われる。ダラダラと怠惰な暮らしをしているなまけものは、外でどんなに着飾っても見抜かれてしまう。顔つきや手つき、体つきに、すべて毎日の行動が出てしまうからである。もちろん人生に対する考え方も、である。
引用した無人島での話からの気づきは、1つ1つの当たり前が自分をつくっていることです。毎日の思考、発する言葉、行動という自分の生き様が、自分の顔つきや身体つきに表れます。
大事にしたいのは 「今」 というこの瞬間をどう生きるかです。自分の人生とは、これまでの全ての 「今」 を積み重ねたものだからです。
今日のアクション
そろそろ今回のレターも終わりです。ここまで読んでいただきありがとうございます。
このレターの毎回に共通するコンセプトは 「Question Insights Action」 です。意味は、問いかけに対して示唆を得て (Insights) 、半歩でもいいので行動につなげてみませんか (Action) 、というものです。
今回のレターでの問いかけは、「夢を解像度高く言葉にしてみませんか」 「あなたの大切な "当たり前" は何ですか」 です。
普段の生活やお仕事の中に、無意識にもやっていることも含めて 「当たり前のこと」 があると思います。その中には、もしかしたら失って初めて大切なことだったと気づくものがあるかもしれません。
ぜひ 「当たり前のこと」 に目を向けるところから始めてみませんか?
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レター作成者
多田 翼
Aqxis 合同会社 代表 (会社概要はこちら)
経歴
Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立。Aqxis 合同会社を設立し代表に就任。Google 以前はインテージにてマーケティングリサーチ業務に従事。
京都大学大学院 工学研究科 修了。
主な事業
マーケティング, マーケティングリサーチ, 事業戦略などのコンサルティング事業
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